外資コンサルで経験したパワハラ

新しい会社は業界トップではないけれど、それなりに評判が良い会社で、1.5流といった立ち位置でした。2流外資コンサルに比べれば、コンサルタントも優秀でしたし、クライアントもプロジェクトも洗練されていました。

 

ところが、入社して1年半が経った頃にパワハラに遭ってしまいます。人生で初めてのことでしたし、外資コンサルにもこんなに民度の低い人がいるというのも驚きでした。どうやらその人、前にいた部署でもパワハラの前科があったらしく、その部署の人に聞いたら「やっぱりね〜」という反応でした。本当の外資だったら一発でアウトになるかもしれませんが、日本人社員が99%を占めるなんちゃって外資だと、なんのお咎めもなしに野放しにされるんでしょうね。

 

因みに、どんなパワハラだったかと言うと、クライアントの前で怒鳴ったり、チームミーティングで部下に自分のダメ出しをさせたりしていて(後で知ったことですが、その部下もパワハラを受けていました)、身体的な暴力こそなかったものの、精神的にジワジワとくるものでした。

 

上司にそれとなく相談するも信じてくれなくて、それどころかパワハラ上司に自分が相談したことを話してしまったんです!それまでこの上司のことはそれなりに尊敬していましたが、この件があってから不信感を抱くようになりました。推測ですが、自分が他部署からわざわざ引き抜いてきた人が問題起こしたら、自分の評価にも響くかもしれないと懸念して、ことを荒立てなくなかったんじゃないですかね。

 

これでは埒が明かないと思い、入社面接の時に話したことのある別のパートナーに相談しました。このパートナーは社内でそれなりの地位にいる方で、パワハラ上司が前にいた部署の統括をしていました。パワハラ上司のことをよく思っていなかったようで、パワハラされていることを相談すると、渡に船とばかりにとある話をもちかけてきました。

外資系社員の夏休み事情

世間はお盆休みだそうですが、自分はカレンダー通りに働いています。うちの会社でも休みを取っている社員は子供がいる人くらいで、半分以上は働いています(在宅勤務の人もいるのでオフィスは閑散としていますが)。

 

外資系企業はお盆休みを設定していないところが多くて、社員は休みたい時に自由に有給休暇を取る人が多い気がします。この時期はどこに行っても混んでいて高いですし、日本企業のクライアントが休みと取っていて仕事が少ないので、有休消化してしまうと勿体ないですからね。

 

フランス系の会社に勤めている友人は、夏になんと2週間連続の休暇が必須だそうで、なんとも羨ましい限りです。

2流外資コンサル会社を辞めてステップアップ

コンサルティング会社に限らず、外資系企業には社員リファーラル制度があるところが多く、友人を紹介して無事入社すると、数十万円単位でボーナスがもらえます。恐らく自分に声をかけてくれた人は、それも目当てだったのではないかと思いますが、理由はどうであれ、2流外資コンサルにいても未来はないので、すぐにパートナーに紹介してもらうことになりました。

 

当時プロジェクトで地方に常駐していたので、最初と2回目の面談(という名の面接)はスカイプで行われました。その後、プロジェクトが終わり東京に戻ってきたので、今度はオフィスで対面の面接が行われました。その会社のオフィスは一等地のきれいなビルに入っていて、2流コンサル会社とは全く違いました。

 

4回目に配属予定の部門長が出てきて最終面接となり、あとは結果を待つだけとなりました。うまくいかない面接もありましたが、部門長との面接の感触は良かったので、採用オファーをもらえるだろうとは思っていましたが、実際に連絡がくるまではドキドキしました。そして結果は・・・

 

見事内定をもらいました!が、意外にも給与はそれほど高くなくて、平均評価をもらった時のボーナスを足して1,200万円くらいでした。でも2流外資コンサルから比べたら3割以上上がっているし、グローバル案件や新しい領域のプロジェクトが多くて経験が積めそうだったので、迷わず入社することにしました。

マンション購入後に外資系コンサルへ転身

せっかく住宅ローンの審査に通ったものの、頭金が用意できなくて諦めかけていた時に、なんと家族が不足分を貸してくれると言ってくれました。家族とは言えお金を借りることに対して抵抗はありましたが、どうしても購入したかったマンションなので、借用書を作ってせっかくのオファーを受けることにしました。

 

無事住宅ローンが見つかり、不動産売買契約を結んだ翌日、ブラック外資系旅行会社を解雇され、新たに外資コンサルティング会社でのキャリアが始まりました。さぞかし華やかな世界だろうなと思って飛び込んだこの会社。でも実態は日本人ばかりの旧態依然とした会社でした。

 

外資コンサルティング業界の中では実績も評判も2番手で、給与水準も決し高くありません。マネージャーレベルでもボーナス込みで1,000万円に届くか届かないかで、ブラック旅行会社の方が給与は高かったです。でも斜陽産業の旅行業界にいても将来性はありませんから、たとえ一時的に給与減になったとしても、コンサルタントに転身することが長期的には良いと信じていました。

 

グローバル案件はほぼなく、社内の雰囲気も閉塞感が漂っていたので、また転職しようかと考えていた矢先、たまたま提案で1度だけ一緒に働いたことのある他チームのディレクターから電話がかかってきました。「私競合他社に転職することになって今日が最終出社日なんです」という彼女。ほぼ面識がないに等しい人がわざわざこんな挨拶をしてくるというのは奇妙だなと思いつつ話を聞いていると・・・

 

「ガイシパパさん、この会社で働いていてどう?」と質問されました。これはもしやと思い、こちらも気づかないふりしながら「仕事は好きなんですけど、つまらない案件が多いので、海外案件が多い会社に転職することも検討しています」と答えると、「じゃあ今度行く会社のパートナーに紹介してあげようか?」と予想通りの返答が返ってきました。

解雇直前に住宅ローン審査に通ったものの・・・

ブラック外資系旅行会社のPIPは解雇されるがはほぼ確実という前提なので、モチベーションが上がる訳がありません。以前に内定をもらっていた外資系コンサル会社に早速連絡をしてみたところ、前回提示した条件であればいつでもウェルカムですよと言われたので、次の仕事は確保しました。

 

問題は年収が1,200万円から900万円に減ってしまうということと、勤続年数が0にリセットされてしまうということ。どちらも住宅ローン審査に影響するので、なんとかブラック旅行会社に勤めている間にローンを組む必要がありました。でもつい1年半前まで派遣社員をしていて年収が250万円だったこともあり、メガバンクは勿論のこと、地方銀行からも相手にされませんでした。

 

いよいよPIPが終わりブラック旅行会社の退職日が3日後に迫り、マンション購入を諦めかけていたところ、不動産販売会社から電話があり、新生銀行が融資をしてくれることになったと連絡がありました。新生銀行金利が高い代わりに、少々リスクの高い借り手にも融資をしてくれているようでした。

 

ただ、希望通りの満額回答はもらえず、頭金で1,000万円近い額を用意しなければいけなくなりました。その時点で貯金できていたのは400万円程度だったので、全然足りません。やはりマンション購入なんて身分不相応だから、もっと貯金してから出直そうとも考えましたが、狙っていた物件は自分の条件とぴったり合っていたので、諦めきれない気持ちもありました。

外資系企業に首切りされる前にやっておきたかったこと

業務改善という名の首切りプログラム「PIP」に入れられ、しかも後任の求人募集まで見つけてしまった自分は、早々に転職活動を始めましたが、それとは別にやっておきたいことがありました。それはマンション購入です。

 

つい数年前まではコールセンターの派遣社員で友人宅に破格の家賃で居候されていたもらった自分。外資系旅行会社に転職すると同時にワンルームマンションに引っ越し、年収が1,200万円に上がった時点で、今度は1LDKの新築マンションに引っ越していました。

 

たまたま分譲マンションのチラシが入っていて、月々の住宅ローンの支払いが当時の家賃と同じくらいだということを知り、マンション購入を検討し始めていました。でも住宅ローン審査では、年収だけでなく勤続年数なども見られます。転職先で今と同じ給与が保証されているわけではないので、なるべくブラック外資系旅行会社にいる間にローンを組んでしまいたかったのです。

 

ただいくら正社員とはいえ、勤続年数が1年半にも満たず、その前は年収250万円のコールセンターの派遣社員だったということで、融資してくれる銀行はありませんでした。都市銀行ははしにもぼうにもひっかからず、縁もゆかりもない北陸の某都市銀行にも断られる始末。マンション購入を諦めかけていました。

外資系あるある恐怖のPIP

 

年収250万円のコールセンター派遣社員から年収900万円の外資系旅行会社正社員の転職した半年後に、転職をしようとしたら引き止めにあって300万円の昇給を提示されて年収1,200万円になりました。

 

しばらくはお金がモチベーションになったものの、1度辞めようと決意した仕事に対して情熱を再び燃やすのは難しいことでした。多分それは会社も感じていたことで、昇給してから半年後から急に上司からの風当たりが強くなりました。そしてついにはPIPに入れられます。

 

PIPとは、Performance Improvement Plan(業務改善プラン)の略で、指定された期日までにパフォーマンスをあげないと解雇されます。外資にはあるあるで、高い報酬と引き換えに、パフォーマンスが出なければ容赦無く首を切られる世界なのです。

 

この会社では、花形社員が些細なことで経営陣を敵に回し、PIPを通して退職に追い込まれることが度々あったので、「ついに自分もきたか」という感じでした。PIPは結果を残せば会社に残れますが、この会社の場合には非現実的な目標設定をされることが常套手段だったので、PIP=首切りを意味します。

 

実際自分がまだPIP中に既に自分の後任の求人広告が出ていたのを偶然発見してしまい、会社が自分を必要としていないことは明らかでした。