急に舞い込んできた通訳案内士の仕事

生きていくのにやっとだったコールセンター派遣社員時代。それを変えたのは1本の電話でした。

電話の相手は某旅行会社の通訳案内士アサイン担当でした。通訳案内士の国家試験に合格した後、自分を売り込もうと業界団体の研修に参加して、その時に名刺交換していたのがこの方でした。なんでも東日本大震災でリバウンドで一気に訪日客が戻ってきていて、通訳案内士が足りないとのことでした。

「急で申し訳ないが明後日富士・箱根1日ツアーのガイドをしてもらえないか?」と聞かれました。翌々日はちょうどコールセンターの仕事はなかったのですが、資格を取得してから1度も実地経験のないペーパーガイドだったので、断ろうか一瞬迷いました。でも周りを見渡し、惰性で働いているオペレーターを見たら、「自分はこんなところで終わりたくない」と思い、すぐに「はい」と返答しました。

「ガイシパパさんは富士・箱根ツアーの経験ありますよね?」と確認するアサイン担当。「数回あります(客としてね)」と自信満々に答えながらドキドキしたのを覚えています。幸いツアー前に試乗させてくれる会社だったので、翌日別のガイドが担当する同じツアーに参加して、ツアーの流れを確認させてもらいました。